ソーイングバトルはいよいよ準決勝。コンテスト初の試み、型紙なしで作るドレスの課題のまとめと感想です!
\今夜9時 #ソーイングビー/
【型紙なし!ドレス対決】
マネキンに生地を乗せ形を取っていく。
続いてのリメイク課題は
・ノースリーブの服に袖をつける
型紙を引くところから制作する、どんな仕上がりに?!お楽しみに♪「#ソーイング・ビー」#Eテレ
2月27日(木)午後9時https://t.co/zvXbIwlVp3— NHK Eテレ編集部 (@nhk_Etele) February 27, 2020
番組内容
イギリス全土から集められた出場者が、アマチュアいちの裁縫名人の座をかけて次々と課せられる難題に挑む。
英BBCで放送された、裁縫バトル番組「ソーイング・ビー」の日本語版。
放送時間
- 毎週木曜日21:00~放送中
- 再放送 毎週水曜日12:25~※地域によって異なる可能性があります。
これまでのあらすじ
これまで、ナイロンジャケットやドレスなど、様々な難しい課題をこなしてきました。でも今回はそれを遥かに上回る難しさです。
準々決勝、一回戦ブラウスの課題ではヘザーが1位。2回戦スーツリメイクではチネロが力を発揮、3回戦のリンダのコートが優秀作品に選ばれました。
今回は決勝進出をかけた戦いです。あと3つの課題をクリアすれば決勝進出、決勝に進めるのは3人です。
出場メンバー紹介
10人いた出場者も残すところあと4人!準決勝まで勝ち残ったメンバーをおさらいです。
チネロ
「型紙は使わない、これがナイジェリアのやり方。経験が少ないのが武器。」と話すチネロ。今回のコンテストへの出場が自身のキャリアへの大きなステップアップの機会にしたいと張り切ります。ソーイング歴は浅く、普段は2年半前に購入した中古のミシンでソーイングをしています。
リンダ
普段は学習支援のアシスタントとして働いています。孫たちに服を作ってあげたりソーイングを教えたりするのが大好きです。リンダは聴覚障がい者でコンテストには手話通訳者が同席します。
タマラ
10歳のときに母親からソーイングを習ったという2児の母タマラ。子ども向けのパフォーマーやヨガ講師として働いています。テーラーである曾祖母から代々受け継がれたソーイング技術でコンテストに挑みます。
ヘザー
夫と愛犬と暮らしているヘザー。「わたしは長い間隠れてソーイングをしていました。服を買うお金がなくて。周りから何でも手作りなのねって言われたくなくてずっと内緒にしていたんです。」と話していました。
Finished and ready to go! pic.twitter.com/Q7swNuP1SN
— Heather Jacks (@heatherjacks9) July 24, 2019
今までにない張り詰めた空気のなか、いよいよ準決勝が始まります。今回はオープニングから緊迫していてバックミュージックやナレーションもかなりカッコいいから再放送で是非見てほしい!!
Contents
課題内容
これまで、様々な型紙を使って出場者たちの実力を見てきましたが今回は型紙はありません。
出場者たちに与えられたのは、マネキン、3メートルの生地、そしてピンです。
切り取る、形を作る、プリーツを付ける、ギャザーやドレープを入れる、そうした技術を使ってドレスを仕上げます。制限時間は3時間です。
服を仕立てる技術があるか、が審査のカギ
審査員のパトリックは「ソーイングの上級者なら、生地とマネキンだけで立体的に服を作ることができるはずだ。」と出場者たちの裁縫技術に期待します。
審査員のメイは「型紙がないのは不安かもしれないけど、そういうやり方もあるのよ。」とコメントをしていました。
実際に、チネロは普段から型紙なしで服を作っているし、タマラとヘザーも時間があるときに型紙なしで服を作ったことがあるといっていました。
リンダだけは「生地のお店に行ったとき、マネキンにピンで生地が留められているのを見て、こんなやり方があるんだと感心したわ、わたしにはとてもできないって思ったの。」と、初めての試みに戸惑いを隠せない様子でした。
ヴィオネは、第一次世界大戦後にサテンやシフォンなどの柔らかい生地を使って新たなファッションを生み出し、“※バイアスカットの女王”と呼ばれました。
ミニチュアのマネキンに生地を乗せて裁断しながら作られる彼女のデザインは、古代ギリシャのドレープを発想の源にした女性の身体に沿って流れる自然なシルエットでした。
それまでは服を幾重にも重ねて、身体を締めるコルセットやバストを整える下着で体型を人工的に作っていました。
戦後の自立心や解放感と共に肉体的な自由を求めていた時代に登場したヴィオネのデザインは、服飾に携わる女性たちや締め付けられない服を着たかった女性たちを中心に大ヒットします。
(※バイアスカットとは、縦糸と横糸で作られた生地を斜め45度に裁断すること。これによって伸縮性が生まれ、身体に合わせて動く服を作ることができます。)
作品工程
チネロ
「この課題気に入ったわ。こんなの初めて!」と意気込みを見せるチネロ。お家芸の型紙なしソーイングの対決でその真価が問われます。
濃いオレンジに白と黒で大柄の花が描かれた生地でチューブトップにチューリップ型のスカートを縫製したドレスを作ります。
チネロはまずマネキンにピンで仮留めをしてだいたいの形を作り、形が決まってきたら裁断しながら進めていきます。
ホルターネックを作る予定でしたが、マネキンに合わせてからチューブトップに変更しました。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
ちょっと力みすぎな感じがしたのはわたしだけでしょうか…??
「やったことないけど思いつくままにやってみる…!」と言ってマネキンの前で熟考しながら針を結構な回数刺していたけどそれはいわゆる迷い針(迷い箸みたいな言い方すなw)では?って気がしたよ~。
パトリックに仮留めの段階で「裁断は今から?」と言われて「必要のない部分はもう切ったわ」ってことだったけど、この時点でだいぶ生地の量が多い印象でした。
得意分野ではいつも通りのやり方を丁寧に再現したほうが良かったかもね?!ここは1位を奪取できる可能性が高い重要な課題だったのではないでしょうか。そこは若さでしょうか(なんでも原因=若さで解決)。
ドレスは得意分野っぽいチネロ。今回は冒険しすぎたかな?
リンダ
グレーのアジアンチックな布。ドレス、というには物凄く地味な色味(個人の意見です)。チューブトップにエンパイアラインのロングスカート。腰にはポイントでリボンを付けます。
リンダもまずピンで仮留めをして、だいたいのドレスのサイズ感が決まったら、スカート部分にプリーツの仮留めをしていきます。
ここで、「フィッテイングイメージがこっちのほうがマネキンに合っていて良さそう。」と、プリーツのストレートスカートをやめてエンパイアラインのスカートに変更します。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
途中でスカートのデザインを変更したにも関わらず余裕でベースの制作を終えたのはリンダ。
制作作業の終盤で、余りすぎた布をどうにか縫製に生かせないかと熟考していたところにパトリックがやってきて、「ドレスはマネキンにシンプルにフィットさせれば良い。3mの生地全部を使う必要はないんだ。」とアドバイスをもらいました(のが、海外ドラマちゃん的!今課題のハイライトシーンでございます)。
この助言によって吹っ切れたリンダ。腰回りにポイントでリボンを付けて作業は終了。
悩んでるタイミングで的確なアドバイスを言いに来てくれるパトリック。リンダも「彼、だいすき!!」って言ってましたね~!!!くううううう羨ましい!!(BBAの見苦しいイケメン争奪戦ww)激しく同意いたします!!!
ヘザー
光沢のある黒色のベースに白、赤、緑色の細かいリバティプリントの生地。前身ごろにバイアスカット、要所にプリーツなども入れてミドル丈のドレスを作ります。
脇下のプリーツだけ大きさが違うのがポイントです。
ヘザーは慎重に作業を進めます。まずスケッチでアイディアを絵にして、最初に時間を割いて生地をどうしたいか考えてから作ります。
胸にドレープを入れやすい柔らかい生地の選出にも時間をかけて…。完璧主義なところがあって…と本人も言っていたように、今回も丁寧で着実な作業で審査に臨みました。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
今回のヘザーは良かった!生地の選出からして正解選べた感じだったな~。
みんなどちらかというと“ワンピース”っていうデザインだったけどヘザーのは生地に光沢があったせいか、カジュアルの代名詞柄・リバティプリントの生地ではあるもののちょっとした食事やパーティーに持ってこいのデザインでしたよ。
身体がきれいに見えそうなシルエットも良かった。
“バイアスカットの女王”から課題の着想を得ている今回だから(出演者たちは当然それは知らないんだけれども。)あのアイディア出しの場面でバイアスカットをいれたのが、さすがです。
やっぱりヘザーは課題が示しているテーマを自ずとわかってるな~と思う。
I recon she’s been fabric shopping too.... pic.twitter.com/0Hvt0wYp6c
— Heather Jacks (@heatherjacks9) August 30, 2018
バイアス研究に余念がないヘザー。
タマラ
白地に小さなチェリー柄の生地で昼間出かけるときに着るワンピースを作ります。胸元がざっくりあいたドレープの膝丈ワンピースで肩とウエストにタックを入れます。
ヘザーと同様、タマラもまずはスケッチをしてマネキンに着せたい形を決めてから裁断していきます。
「ドレープを作りやすい生地で…でも薄すぎるものは垂れ下がるからだめ。」とすでにイメージが固まっているようでいち早く生地を選択していました。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
「この課題にワクワクしています。自分らしさを発揮できるでしょう?」とスタート直後のインタビューで応えていたタマラ。
最初は大まかに裁断してウエストにタックを作っていきます。とテキパキ型を作っていたタマラですが、作業途中の段階で計画を変更します。
スケッチまでして細かい構想を練ったのに全部変えて全く違うワンピースに。これが吉と出るか…?
順位と評価
当初の計画から作業行程中にデザインを変更したのは、チネロ、リンダ、タマラ。マネキンに生地を乗せて作るということで、メンバーたちの迷いが伺えました。
リンダはスカートのデザインのみ変更したけれど、全体を変えたのはお互いがライバルでもあるタマラとチネロ。さすが、やることが似てるよね。
「作業しながら学んでいくのがこの課題のポイントだ。」とパトリックも言っていたし途中でデザインを変更しながら作っていくのは方法としてはありなんだけど、タマラには「でもきみはちゃんと計画を立てていたね。」とそこを褒めていたので彼女に関しては元のままでも良かったのかもね。
1位 リンダ
- 良かった点 スカートのバランスが取れていてきれいに流れている。身頃もぴったりフィットしてうまくしあげられているしリボンも効果的。マネキンを使って服を仕立てる力があることがわかる。指示されたことを見事に実行し、とても高いレベルに仕上げてあった。
- 良くなかった点 コメントなし
2位 ヘザー
- 良かった点 前をバイアスカットにしたからとても落ち着いていてきれい。襟ぐりもきれい。後ろはきれいにプリーツの形が整っている。
- 良くなかった点 スカートの大きなプリーツがいらない。すべて小さなプリーツでもっと整えたほうが良かった。脇だけ大きなプリーツはバランスが悪い。
3位 チネロ
- 良かった点 コメントなし
- 良くなかった点 スカートがこれで良いのかよくわからない。これだと本来のチューリップの形よりかなり垂れ下がって見える。しかも形が左右対称じゃない。身頃がちゃんと縫われていないのでちょっと凸凹している。
4位 タマラ
- 良かった点 コメントなし
- 良くなかった点 方向が逆のタックがあることでタックの効果が薄れてしまった。全体的にタックを入れすぎてしまった印象。場所によってダーツにしていればドレープにもっとインパクトが出たはず。
まとめ
今回の優秀作品はリンダ。前回の昔ながらのコート対決に続き、優秀作品に選ばれました。強いね~!
デザインとしては地味だったしバイアスカットやタック、ドレープを使って…という課題内容的にはヘザーが優秀作品でもいいかなって思ってたんだけど、そこを抜いてくる強さが今のリンダにはあるよね。
まさかの我らがタマラ(海外ドラマちゃん的!推しメン、タマラたん)が最下位とは…。ファイナリスト間違いなしと思っていたんだけどちょっと暗雲が立ち込めておる…。
「準決勝で完成してない作品ありえない。3位なんて、もういい結果じゃないんだから。」ってカッコ良く言い放っていたチネロがまさかの3位…
海外ドラマちゃん的!引き寄せの法則……なんて信じない(ややこしいことを言うw)。信じないので、もしかしてこれがチネロの実力なのかな~と思ったりしたよ。コンテストでは臨機応変な状況判断が必要だね。
決勝進出まで残す課題はあと2つ。次回は“ノースリーブに袖をつける”という課題。一見簡単そうに見えるけど実はとてもやっかいなこの課題を徹底レビューしていきます!