今日はソーイングビー第20回コート対決、出場メンバーたちの作品の評価内容と結果について詳しく解説していきます!
\今夜9時 #ソーイングビー/
【コート対決】
参加者たちに課されたのは
・昔の裁縫技術を使うこと
・適切な生地を調達してくること
引き続き、今回も昔のスタイルに挑戦。
好みのデザインでコート作りに挑みます!「#ソーイング・ビー」#Eテレ
2月20日(木)午後9時https://t.co/5o2d5LwObV— NHK Eテレ編集部 (@nhk_Etele) February 20, 2020
番組内容
イギリス全土から集められた出場者が、アマチュアいちの裁縫名人の座をかけて次々と課せられる難題に挑む。
英BBCで放送された、裁縫バトル番組「ソーイング・ビー」の日本語版。
放送時間
- 毎週木曜日21:00~放送中
- 再放送 毎週水曜日12:25~※地域によって異なる可能性があります。
今回の見どころ
過去にタイムスリップ企画の最終章。出場メンバーたちが終了の合図が叫ばれる直前まで制作したヴィンテージコート。
分厚く扱いづらいコートの生地や当時の縫製方法に苦戦しながらも美しいコートが出揃いました。
作品評価のあとは優秀作品と脱落者が決まります。準決勝進出を目指す5人に下される評価とは?
課題内容
過去にタイムスリップして昔ながらのコートを作ります。型紙を使って再現してもいいし、写真を見ていいなと思ったものから作ることもできます。
制限時間は6時間30分。この課題、参加者たちは事前に自宅で練習をしてきました。また今回は、『かつての縫製技術を調べ、それに合った適切な生地を調達すること。』という宿題がありました。
裁断はあらかじめ済ませてあります。この課題は通常のミシンを使って縫製します。
昔ながらのコート制作 審査のポイント
- モデルにコートのサイズが合っていること
- 昔の技術を用いて縫製すること
- 長持ちする丈夫なコートを作る
- 布端の処理
Contents
各作品デザインと工程の詳細
タマラ
デザインの方向性と作業過程
かつて自身の母親が作ったコートを再現します。「母はこのコートで初めて複雑な型紙に挑戦したそうです。話を聞いて古い型紙を色々調べました。」
1960年代のシルエットのコートで、タイトなハイウェストに裾が広がったエンパイアラインのデザインです。鮮やかな黄色のウールの生地で裏地にはレトロな柄の別布を付けます。
海外ドラマちゃん的!ここに注目。
ポップな要素をデザインに取り入れるのが得意なタマラ。黄色いビビッドなレトロ風コートは彼女らしいデザインに仕上がりそう。
「祖母と母が1960年代の型紙集を見つけてくれました。そのころ使われていた生地もこれと同じ厚手のウールだったみたい。」と、テーラーだった曾祖母の世代から代々伝わるソーイング技術を習得しているタマラの実家にはヴィンテージの資料がたくさんありそうです!
表地と裏地の間に芯地をいれる作業では、手でしつけをかけてミシンで縫ったり、クルミボタンを作ったり、ボタンホールをまつったりと『昔ながらの技術を用いること』にこだわって縫製していました。
“ジャッキー”ことジャクリーン・ケネディ・オナシス。ファーストレディってオシャレな人多いよね。彼女も間違いなく当時のファッションアイコンの1人。
リンダ
デザインの方向性と作業工程
リンダも母親との思い出のコートを再現します。「母はテーラーで、かっちりと仕立てるコートのような服作りが得意でした。」「この型紙を見ると母を思い出します。昔の記憶が蘇ってくるコートです。」と目に涙を浮かべて懐古していました。
お母さんが同じようなコートを着ている当時の写真も持参したリンダ。母への思いを形にします。リンダが作るのは1950年代のコートで、色は黒、ショールをかけたような襟が特徴です。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
まずは、うちの娘たちにはわたしが死んだら涙を浮かべて母を懐かしむ時間があるような親子関係になりたいなあと思いました。なんの感想だwと思ったあなた、同感ですw
リンダといえばその手際の良さと度胸のある方向転換でここまで勝ち上がってきました。思い切りが良いんだよね。やってみよう!って挑戦したことが功を奏しまくっている今大会。
プロムドレス対決の回ではみんながロングドレスやプリーツ入りのドレスを制作する中、リンダ1人だけミニ丈のドレスにしたり(そうすれば作業量半分だもんね。実に賢い選択。)、シルクのナイトウェア対決やロックミシンの回で習得した“裾の処理を巻きロックミシンで行うと早くできる”という部分に掛けて思い切って挑戦したり…
私の中では完全なる隠れファンキーキャラ。
そんなリンダが今回挑戦するのは長さが3メートル以上もある裾の処理。これを手縫いで行います。自宅で練習したときにはここに1番時間がかかったわ、と言っていたけどそりゃあそうだの一言に尽きましたね…。
全体のスタイルとしてはシンプルなラインなので、美しい仕上がりに重点をおいたのかな。この1点突破が功を奏すか否かがカギとなりそうです。
Feels right to be sewing with this machine today.... thinking of my mum ❤️ pic.twitter.com/MoOYaqCRja
— Lynda L (@SigningStitcher) March 15, 2015
母との思い出のミシンをしつこく掲載。ノスタルジーがとまらない海外ドラマちゃん。
ヘザー
デザインの方向性と作業工程
戦後、生地の配給制が終わって質素倹約の時代は終わりを迎えました。そして登場したのがクリスチャン・ディオールです。凄い量の布を使って1着のコートを作るなど、生地を贅沢に使ったファッションで人々の目を引きました。
ヘザーが作るのは1953年のフレアコート。真っ赤な生地に黒のドレープカラー。腰までの丈で袖を折り返して仕立てます。ドレープの裾にポケットを付けます。生地は当時のもので、カシミヤとウール、裏地はシルク。
「このコートは裾を水平に仕上げて同じ長さに揃えることが最も重要だ。」と審査員のパトリックからアドバイスを受けて、縫製に入ります。
ヘザーの芯地は、“毛芯”という少し柔らかいものを使います。表地になじんできれいなシルエットを保つことができます。
また、コットンポプリンというシャツなどに用いられる平織りの柔らかい生地で襟のドレープをきれいに保てるよう補強します。襟の後ろから前のドレープにかけて裾まで入れます。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
ヘザーが作る滑らかなコートには芯は入れないのかと思ってたけど、毛芯ってスーツのシルエットを保つために使われてる素材みたいだね。コットンポプリンを入れたり、細部のディテールにこだわりを見せるヘザー。きれいにできれば素晴らしい一着になること間違いなし。
チネロ
デザインの方向性と作業工程
チネロも1947年に発表されたディオールの“ニュールック”のシルエットを再現したコートを選びます。ニュールックはファッション界に大きな衝撃を与えました。
1940年代のフレアコートを作ります。上部はタイトで、大きく開いたVラインの襟の下部にポケットとボタンを付けます。キャメルのウールの生地にゴールドのサテンの裏地を合わせます。
チネロが挑戦するニュールックスタイル。
「コートを作るのは初めて。ジャケットもつくったことはない。」というチネロ。その割には難しい題材を選んだので、司会のクローディア・ウィンクルマンに「このコート…ちょっと冒険しすぎたと思わない…?」と心配されていましたね。
「前回のヴィンテージスーツリメイクでは難しいことに挑戦して1位になれた、だから今回も挑戦してみる。」と意気込みを語っていました。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
若さっていいね!(このタイミングでくだらなさすぎる感想w)。チネロの冒険心を応援したい。チネロのデザインはどれもフレッシュでエッジが効いているから、作業工程としては複雑なものも多いのかな。
今回のコートも、色はもちろん、今着ていても全く古めかしさのないようなデザインだったよ。…これに関してはチネロというよりDiorが凄い。グランドメゾンたる所以ですね。
途中で当時の技術ではない接着芯を使ったり、手縫い部分にミシンをかけてたりしてとにかく完成を目指すチネロ。下馬評を覆して高評価を獲得できるのでしょうか?!
デビッド
デザインの方向性と作業工程
身近なものをヒントに制作することにしたデビッド。1940年代の警察官のコートを作ります。黒色のスタンドカラーのコートの脇にプリーツを入れ、専用のボタンと胸ポケットをつけます。
このデザインは警察歴史センターで働く先輩に教えてもらいました。今回の課題の中で1番縫製に苦労するであろう絨毯なみに分厚いウールを使用するデビッド。生地の扱い方に工夫が必要です。
スタンドカラーにはワンポイントで警察官になって初めてもらった707という番号を付けます。
海外ドラマちゃん的!ここに注目
デビッドのスタイルはざっくり言うと厚手の学ラン。しかしながら、今回は胸に勲章を付けたり、スタンドカラーにナンバーのアクセサリー、専用の銀ボタンなど細かいデザインにもこだわっていたので素敵だったよ。
作品に小物で装飾するのってデビッドのソーイング史上初めての試みなんじゃないかな?ってぐらい、コンテスト開始当初は謎な柄物とか、デザインが微妙だったんだけど回を追うごとにデザイン性が高まって味のあるソーイングになってきました。
まとめ
それぞれ特徴的で素敵なコートになりそう!1940~1960年頃のコートだけど、みんな違った形のコートを選択していて当時のデザインの豊富さが楽しめる回でした。
ヘザーとチネロはクリスチャン・ディオールから着想を得ているみたいだからフランス、タマラのレトロファッションはツイッギーを連想させるデザインっぽいし母親から着想を得ているってことだからイギリスかな?アメリカっぽくもあるけど…。
リンダも母親から着想を得て…と言っていたからおそらくイギリスで、デビッドは警察の歴史をたどっているからイギリス。当時のヨーロッパファッションの質の高さが伺えますね。
ちなみに海外ドラマちゃんだったらシャネルのツイードをモチーフにしたノーカラーのコートを作るかな!ポケットには金ボタンとネイビーのパイピング。首元にはゴールドチェーンを飾って。……これ1位じゃない?!(じゃ、ないw)
ヨーロッパ的大名行列。
でもね~たぶんだけど…こういう時はイギリスブランドを想起させるデザインが良いと思うのですよ。なんでかって、これイギリスの番組だから!!!海外ドラマちゃん的自国御贔屓の法則wというわけでわたしの優秀作品予想はリンダかタマラなわけだけれど果たして…。
次回は第20回コート対決、審査詳細と順位について詳しくレビューしていきます!