『メイドの手帖』は、2021年10月に公開されたNetflix独占配信中のリミテッドシリーズ。
同シリーズ史上最も成功したと言われる『クイーンズ・ギャンビット』を上回る初月ビューポイントを獲得したことで話題を呼んでいます。
＼クイーンズ・ギャンビット第1話感想はこちらから／
今回はそんな大注目ドラマ『メイドの手帖』第10話の感想レビューをお届けします！
＼メイドの手帖第9話感想はこちらから／
Contents
メイドの手帖 前回のあらすじ
ショーン（ニック・ロビンソン）の家で毎日を無気力に過ごすアレックス（マーガレット・クアリー）。
仕事をクビになり、飲酒してヤケになるショーンをアレックスが咎めると、彼は激怒しアレックスに食器を投げつけてきた。
ショーンに怯えて戸棚に隠れるマディ（レイラ・ネバエ・ウィテット）を見て、アレックスは身体一つで家を飛び出す。
レジナ（アニカ・ノニ・ローズ）の助けを借りシェルターに辿り着いたアレックス。
デニース（B・J・ハリソン）やレジナ、新規の顧客に助けられ順調に自立への道を進んでいく。
弁護士の助言でショーンに転居通知を突きつけるが、ショーンは署名せず2人は法廷で戦うこととなった。
一方で、アレックスはポーラ（アンディ・マクダウェル）に街を出ることを報告する。
自分は充実していると話すポーラ。
しかし、実のところポーラはスーパーの駐車場で車中泊して日々を凌いでいたのだった。
メイドの手帖第10話「指を鳴らして」あらすじ
アレックスはデニースから誘われ、DV被害者のセラピーで講座を行うことに。
アレックスは参加者たちに、“人生で一番幸せな1日”のことを書くように促す。
それと同時に、引っ越しの準備を進めるアレックス。
ポーラを心配し、一緒に来るよう誘うがポーラは首を縦に振らない。
一方で、弁護士からは転居通知を正式に拒否されたという連絡が入る。
その後ショーン側が虐待は虚偽だと主張したことで、マディの親権を争って再び裁判をすることになった。
加えて、ショーンにマディとの面会を要求されたため、アレックスはポーラに立ち合いを頼んで渋々面会を許す。
ショーンとマディの面会の間、アレックスはハンク（ビリー・バーク）に会っていた。
彼にDVが行われていたという証言を行うよう頼むが、ハンクはショーンの味方をし、「俺にはできない」と言い切る。
自分の過去のDVすら認めようとしないハンクに、アレックスは「もう話すことはない」と告げてその場を後にしたのだった。
アレックスが講座を行なっていると、ポーラがマディを連れて戻ってきた。
ショーンから話を聞くと、駄々をこねたマディを怒鳴りつけてしまったという。自分に育児は無理だと悟ったショーンは、アレックスの単独親権に同意すると告げる。
ショーンの言葉を受けて、街を出る決意を新たにするアレックス。ポーラも一緒についてくることになり、清々しい気持ちで旅立ちの日を迎えた。
レジナに別れを告げてポーラを迎えに行くと、彼女はまた新しい男の元で暮らすことにしたと言う。
ポーラとも別れ、マディと2人ミズーラへと向かうアレックス。
そして、アレックスは“人生で一番幸せな1日”を無事迎えたのだった。
感想レビュー1 アレックスは実父ハンクに助けを求めるが…
ショーンとマディが面会している間、アレックスはDVの証拠を手に入れるためハンクに会っていた。
ショーンからDVを受けてシェルターにいるという事実を伝えるアレックス。
夕食時のショーンの威圧的な言動を目撃したハンクに証言を求めるが、彼はショーンを庇おうとする。
「今こそ味方をして」と言うアレックスに、ハンクは「俺にはできない」と返したのだった。
本来なら、ハンクはアレックスにとって会うのも嫌な人物でしょう。でも、ショーンのDVを目撃した人はハンクしかいませんもんね。
それにしても、このハンクの態度はいただけません。自分のしたことに対し後ろめたい気持ちがあるのでしょうが、こんな時くらい実の娘の味方をしてくれてもいいのに…。
外ではいい人のフリをするのが加害者の常と考えると、よっぽど運が良くないと目撃者なんて存在しないんじゃないでしょうか。
アレックスの件に限らず、DVの証拠集めは難航しそうですよね。
感想レビュー2 男に依存する生活から抜け出せないポーラ。
一緒に街を出るため、ポーラを迎えにいくアレックス。
しかし、到着したアレックスに、ポーラは「嬉しい知らせがあるの！」と笑顔で近寄ってきた。
どうやら、知人の男性が妻を家から追い出し、ポーラを受け入れてくれたらしいのだ。
「後から追いかけるから！」と言うポーラ。アレックスは心配しながらも母と別れることに。
ポーラも遂に決心してくれた！と自分のことのように喜んでいた私ですが、そう上手く事は運びませんでしたね…。
前回のバジルの件があるので、また騙されているのではないか？と心配です。
結局、ポーラは最後まで男に依存する生活から抜け出せませんでした。
そんな母の姿を見て、アレックスは無理矢理にでも連れて行きたかったに違いありません。
やるせなさを感じるシーンでした。
感想レビュー3 アレックスの“人生で一番幸せな1日”。
講座をやり終え、参加者にお礼を言うアレックス。
そんな彼女に、参加者の1人から「あなたの人生で一番幸せな1日は？」と声が上がる。
その問いかけに、アレックスは「まだ訪れてないけど、もうすぐ来る」と街を出る日のことを語り出すのだった。
家を出てからこれまでどん底にいたアレックスの人生で一番幸せな1日。
この言葉を聞いた時、思わず涙してしまいました。2人がショーンから逃げられて本当に良かった！
幸せになった後の日ではなく、旅立ちの日を挙げたのもアレックスらしいな、と思います。
シンママの進学ということで、彼女はこれからも批判的な目に晒されるでしょう。しかし、彼女を応援してくれる人も必ず存在します。
アレックスには世間の目に負けずに前に進んで欲しいですね。
メイドの手帖第10話「指を鳴らして」まとめ
メイドの手帖、最終話では登場人物それぞれの行く道について描かれました。
改めて、アレックスおめでとう！と言いたい気持ちでいっぱいです。
第1話からこれまで、いくつもの不運に見舞われてきたアレックス。
見ているこちらが挫けそうになりましたが、その度に乗り越えてくれました。
正直に言えば、ポーラも救われて欲しかった…。
このドラマを通して知ったのは、DV被害者への支援の薄さ。
特に精神的DVに関しては証明することすら難しいという現実があります。
近所付き合いが希薄になっている現代では、余計に発覚しづらくなっているのかもしれません。
被害者が次の加害者になってしまう現象も、DVがなくならない原因だと思い知らされました。
アレックスの人生はこれからも続いていきます。もし、続編が出たら、私は「辛い、もう見たくない…」と思いつつも完走しそうな気がします…。笑
『メイドの手帖』、まだ観ていない人には是非オススメしたい！そんな傑作ドラマでした。
